Amazonで購入 hontoで購入

あらすじ

海に臨む宿で少女が待つものとは――

口減らしのため備中の港町・笠岡の「真なべ屋」に連れてこられた志鶴。潮待ち宿のそこでは、怪しい旅人、改革に燃える藩士、そして想い人――誰もが訪れ、去っていく。おかみに支えられ、懸命に働きながら己の人生を見つめる志鶴の成長と、彼女の目を通して幕末から明治にかけての時代を描く連作集。

歴史小説の名手が初めて挑む人情話。

作者より

これまで有名な人物の視点で
幕末や明治維新を書いてきましたが、
庶民視点でこの時代を描いたことは
ありませんでした。すなわち、
遠景としての「激動の時代」を書きたい
というのも執筆動機の一つでした。
時代の大きな荒波に翻弄されながらも、
決して覆らない笹船のような主人公の生き方に
共感していただければ幸いです。

本書を読み終わった時、
あなたはきっとこの港町に行き、
この宿に泊まり、
志鶴ちゃんとおかみさんに
会ってみたくなります。
そんな仮想的ノスタルジーを抱けるような
小説になったと思います。

書籍データ

単行本: 320ページ
出版社: 文藝春秋 (2019/10/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4163911138
ISBN-13: 978-4163911137
発売日: 2019/10/23

Amazonで購入 hontoで購入