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あらすじ

いま裏切れば、助かるかもしれない。
武田家滅亡直前。家族、財産、名誉、命――
すべてを失うかもしれない状況のなかで、武士たちがとった行動とは?

天正十年(一五八二年)。主家を裏切り織田についた武田家重臣・穴山梅雪は、御礼言上に訪れた安土で信長から信じ難き命を受ける。「家康を殺せ。成し遂げれば武田領をそのまま返そう」(「表裏者」)。武田家滅亡期。すべてを失うかもしれない状況を前にした、武士たちの選択とは? 人間の本性を暴く五篇の衝撃作。

作者より

武田家末期の混沌を描いた五作の小品から成る連作短編集です。
滅亡や終焉を迎え、人は様々なものを守ろうとします。己の命、財産、名誉といったものから、一族や領民の安全まで、個々の地位や立場によって、守ろうとするものは様々です。滅亡という危急の場において、人はいかに考え、行動するか、そして何を取り、何を捨てねばならないか、そうした究極の選択を描いたのが本作です。
それは現代においても同様です。死の危険と隣り合わせでないだけで、私たちは日々、選択を強いられています。その判断基準は様々で、時には倫理に反してしまう人もいます。それは決して他人事ではないのです。
本作は、本格歴史小説の味わいを濃厚に漂わせつつ、「ページをめくる手を休ませない」面白さを併せ持った作品になったと自負しています。
書き終わった時、「いよいよ新境地に突入したな」という感を強く持ちました。
戦国の悲哀をとくとご賞味あれ。

書籍データ

出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社
発売日 ‏ : ‎ 2021/11/19
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 324ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4122071364
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4122071360

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