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吉川英治文学新人賞受賞作品

作者より

収録作品と主役
『牢人大将』 那波無理之介
『戦は算術に候』 石田三成・長束正家
『短慮なり名左衛門』 毛利秀広
『毒蛾に刺された男』 佐久間盛政
『天に唾して』 山上宗二
『国を蹴った男』(表題作) 今川氏真

ここ数年、「勝ち組」「負け組」という言葉をよく聞きます。価値観が複雑多岐にわたる現代において、「勝ち組」と「負け組」を、そんなにはっきりと色分けできるものでしょうか。
 どんな状況であろうが、その立場に置かれた人が、それを「心地よい」と思えば、それで「勝ち組」なのではないでしょうか。
 しかし価値観が多様な現代とは違い、戦国時代は「勝ち組」と「負け組」が、はっきりした時代でした。一つの判断が生か死を分かち、些細な油断が滅亡を招くほど、戦国時代は苛酷でした。
生か死か、繁栄か滅亡か、それが戦国時代なのです。
だが、待てよ。
「負け組」とされた男たちの中にも、意地を貫いて滅んだ者、全力を尽くして死んだ者、没落しても幸せだった者たちがいたことも事実です。
『国を蹴った男』は、戦国時代の「繁栄か滅亡か」という価値観では「負け組」であっても、本人たちは決してそう思っていなかった「敗れざる者たち」を描いた連作短編集です。

書籍データ

価格:788円(税込)
文庫: 368ページ
出版社: 講談社 (2015/5/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 406293115X
ISBN-13: 978-4062931151
発売日: 2015/5/15

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