あらすじ
情報戦を勝ち抜き、戦国の世を生き延びろ! 臨場感MAXの戦国時代小説
天下の簒奪を企む徳川家康は、豊臣家を滅ぼすべく大坂城攻略に乗り出した。出陣の前日、伊賀者の吉蔵は警固隊長から、輿かきの中に刺客が紛れ込んでいると知らされる。大御所様の命は、そなたに懸かっている。吉蔵は紛れ込んだ刺客を見破り、家康を守り抜くことができるのか。桶狭間から大坂の陣まで、手に汗握る情報戦を網羅した、鬼気迫る合戦連作集。
悪魔の石を巡る攻防を描いた短編「ルシファー・ストーン」特別収録!
書籍データ
出版社 : KADOKAWA
発売日 : 2022/2/22
文庫 : 464ページ
ISBN-10 : 4041119421
ISBN-13 : 978-4041119426
作者より
本作は戦国時代が一望できると言ってもいい短編集です。
作品集のトータルしたテーマは、「戦国の無常」です。
これまで書いてきた多くの短編集は、連作としての縛りが強いものが多かったのですが、今回は比較的テーマの縛りを弱くし、「戦国の無常」という漠然としたものにしました。
またもう一つのテーマとして、「雑説(情報)に翻弄される男たち」というものもあります。
『雑説扱い難く候』からして情報戦を描いたものですが、『上意に候』や『陥穽』では、情報に翻弄されて疑心暗鬼に陥る主人公たちを描きました。『大忠の男』『秀吉の刺客』にしても、情報が物語を構成する重要な要素となっています。
とはいうものの、本作はこれまでの連作短編集とは異なり、縛りは比較的少ないもので、「戦国時代の合戦を短編で俯瞰する」「戦国時代を脇役の視点から見ていく」といった趣向に貫かれており、逆に年に一作しか書かなかったからこそ、バラエティに富んだものになったと思います。