5月25日 『囚われの山』文庫版が中央公論新社より発売されました。
明治三十五年(一九〇二)一月二十三日
青森歩兵第五聯隊第二大隊が雪中行軍演習を実施すべく、八甲田山中にある田代を目指して兵営を出発した。
しかし折からの天候悪化により暴風雪が吹き荒れ、山中をさまよった末、百九十九人もの犠牲者を出した。
この「八甲田雪中行軍遭難事件」は世界山岳史上、最多の犠牲者を出した事件として知られ、多くの教訓を後世に残してきた。
昭和四十六年(一九七一)、新田次郎氏が『八甲田山死の彷徨』(新潮文庫)を出版し、その後、映画『八甲田山』が大ヒットしたことにより、この事件が脚光を浴びることになります。
この事件をベースにした作品が『囚われの山』です。
視点人物の一人は現代の雑誌記者で、もう一人は行軍隊に参加した一人の兵士。
本作は、二人の視点をスイッチさせつつ現代と過去を行き来するという構成です。
一気読み必至の作品ですので、どなたでもお楽しみいただけると思います。
単行本刊行時のインタビューは以下の中央公論のサイトで読めます。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/d9u1aaaufyh6oybE