『天下人の茶』が本日、発売されました。
遅くとも明日かあさってには、すべての書店様に並んでいるはずです。最近は奥付にある日付よりも前倒しで発売されていることが多く、著者にも書店様に並ぶ日がよく分からないのですが、6日か7日なら大丈夫でしょう。
それにしても、茶の湯というのは奥が深い。今回も徹底的に勉強したのですが、実にたいへんでした。
それでも古田織部美術館館長の宮下玄覇氏のご協力によって、最新の定説を交えながら、何とか仕上げることができました。
宮下氏は株式会社宮帯という古美術・茶道具ビジネスや、宮帯出版社という関連書籍の出版社も経営しています。しかも親の仕事を継いだのではなく、全く縁もゆかりもない京都でビジネスをゼロから立ち上げたという”つわもの”(辣腕経営者)でもあります。
しかもなぜかイケメン(笑)。若い時はもっと凄かったんですが、四十代半ばでもこのイケメンぶりには驚かされます。

http://buzip.net/kyoto/miyaobi/president/

ご存じの読者もいらっしゃるかもしれませんが、宮下氏は『武田家滅亡』と『天地雷動』にも登場した宮下帯刀のご子孫で、武田家関連の本を書く際にも、現地をご案内いただくなど、多大な貢献をしていただきました。
実は、宮下氏との最初の出会いは2004年だったと思います。川中島合戦絵巻の開催日前夜に石和で行われた宴席で、初めてお会いしました。
ということで、翌日は一緒に戦場を駆け回りました(笑)。それ以来、意気投合し、合戦祭りや城めぐりのオフ会などにも何度かご一緒させていただきました。
2008年には、『疾き雲のごとく』のハードカバー版を宮帯出版社から出しました。ところが、それが全く売れず(苦笑)、恩を仇で返す形になってしまいました。
2014年には『歴史通』という雑誌で、古田織部について対談したこともあります。
今回は、茶の湯のノウハウの部分で、たいへんなご負担をかけてしまいました。実は無償で、茶の湯部分の校閲をやっていただいたのですが、何カ所にもわたって絵まで描いていただき、たいへん助かりました。
宮下氏のおかげで『天下人の茶』を世に出すことができたと言っても、過言ではありません。
人と人との縁というのは不思議ですが、甲冑、合戦祭り、武田家、出版ビジネス、そして茶の湯と、これだけ様々な接点ができる相手というのも不思議です。
とにもかくにも、宮下氏はもちろん、文春の編集担当の方々、装画と装丁の方々など、様々な人のお力で、『天下人の茶』を世に送り出すことができました。
『天下人の茶』は、茶の湯の美を描きつつ、いつものトリッキーなテイストも忘れていない作品ですので、安心してお手に取って下さい。

amazonで購入