『王になろうとした男』の文庫版が、本日3/10に発売されます。
この作品は、信長の家臣たちの視点から信長を描いた連作短編集です。
テーマは「野心とは何か」――。
『城を嚙ませた男』『国を蹴った男』と同系列の歴史解釈をエンジンとし短編集ですが、全編に信長登場ということもあり、前二作よりも身近に感じられるはずです。それゆえ「男シリーズ」三部作の最終作と位置付けています。
桶狭間で今川義元の首を取るという大功を挙げたにもかかわらず、その後、歴史の闇の中に消え、再び現れた時は、本能寺の変で壮絶な討ち死にを遂げることになる毛利新助。
明智光秀や羽柴秀吉にも勝る勢いで出頭を重ねたにもかかわらず、本願寺との合戦で討たれた後、様々な不祥事が明るみに出ることで、信長によって歴史の闇に葬られた塙直政。
野心家であるがゆえに墓穴を掘ってしまった荒木村重。
本能寺の変のあおりを食らい、謎の死を遂げた津田信澄。
信長の野心に当てられ、信長になろうとした男・彌介。
信長との出会いがあったゆえに、好むと好まざるとにかかわらず、己の人生を変えられていった男たちを余すところなく描きました。
私の戦国短編シリーズの集大成的作品集です。
お楽しみいただければ幸いです。
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