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夏も終わりに差し掛かりましたが、皆さん、いかがお過ごしですか。
オリンピックも閉幕ということで、少しさびしい夏の終わりですが、オリンピックは本当に燃えましたね。
たいへんなメダルラッシュとなり、うれしかったのはもちろんですが、何かに向かって懸命に努力することの大切さを思い出しました。
われわれ作家には明確な目標はなく、ただ前作以上に読者に満足いただけるものを出していくだけです。
それは、皆さんのやられている仕事と変わりありません。
つまり終わりのない戦いなのです。

『江戸を造った男』の主人公である河村瑞賢も、生涯を仕事に捧げた男です。
世の中では定時退社の企業がもてはやされるなど、仕事より私生活を大切にする風潮が主流ですが、私は常々、疑問を感じてきました。
そこで仕事に邁進する男を描き、仕事をやり遂げる喜びこそ何物にも勝るものはないということを、とくに若い方には知ってもらいたいと思いました。
そうした折、河村瑞賢と出会いました。

内容の詳細は、次の機会に譲ることにして、まずはカバーができ上がってきました。
雨の中でも率先垂範で仕事を行う男の後ろ姿です。
仕事に邁進する男の、この後ろ姿に何かを感じていただければ幸いです。
装画はヤマモトマサアキ氏です。
週刊朝日連載時の挿絵もご担当いただき、あまりの素晴らしさに、単行本の装画もお願いしました。
奇しくも、先日発売成った『峠越え』文庫版もヤマモト氏でしたが、あれも緊張感が漂ってくる迫力あるカバーでした。

『江戸を造った男』は、9/7に朝日新聞出版より発売されます。
オリンピックを見て熱くなった方には、さらに熱くなってもらいましょう。
600枚一気読み必至です。
どんな題材でも一気に読ませる伊東マジックは、この作品でも健在です!
発売まで、しばしのお待ちを。