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作者より

無人島で単独生活している方を除き、ほとんどの方々は、他者と何らかのかかわり合いを持ちながら生活しています。そこには、人それぞれの様々な悲喜劇があることでしょう。特に組織社会では、多くの方々が人間関係でお悩みのことと思われます。たいていは、自らを顧みず、他者のせいにして愚痴るわけですが、自らを振り返る(己を知る)ことで、同じ失敗を繰り返さないことになるということを知っている方はあまりいらっしゃいません。しかも、失敗経験を自らのものでなくても、先駆者たちに求めることもできるのです。
本書ではそれを天下人四人に求め、彼らがいかに人格的欠点から失敗を繰り返し、それを内省しなかったがゆえに、致命的な失敗を招いてしまったかを克明に分析していきます(家康だけは何とかなりましたが)。もちろん、組織社会で生きる人間には天下人四人のいずれかに当てはまるという前提を、様々な角度から検証した上でのことです。
つまり、エクササイズを通じて、読者自らを信長、光秀、秀吉、家康のいずれかに当てはめ、彼らの人生から学ぶこと、すなわち長所を伸ばし、短所を抑制することにより、よりよい人生を歩んでいただきたいという願いから本書を執筆したわけです。
こうした類の本は、今までも多く出版されてきました。たいていは難しい用語を使い、いかにも権威ある肩書きの方々が執筆してきたわけですが、それらの本すべてに共通しているのは、「サンプルが都合よく捏造されている」という点です。それを打破するためには、皆が、ある程度、知っている有名人を取り上げるしかありません。初稿では、小泉Ⅰ型、福田Ⅱ型、麻生Ⅲ型、安部Ⅳ型といった歴代首相もサンプルとして取り上げていたほどですが、差し障りが出てくると困るので(笑)、歴史上の人物に限定した次第です。皆が知っている人物であれば、エピソードを捏造するわけにも行きませんし、オミットするわけにも行きません。それゆえこの理論・法則には、かなりの信憑性があると自負しています。
また、これは私の長年の経験に裏打ちされた理論・法則ですので、一朝一夕の思いつきで書いたものではありません。小説家になる前から、いつの日か発表したいと願ってきたものなのです。それゆえ、内容の説得力には絶対の自信があります。
最近は、新書だけで一ヶ月100冊以上の新刊が出ています。私も新書好きで、ちょくちょく買うのですが、まさに玉石混交の状態です。しかし、私が、ワン・オブ・ゼムの実用本を書くはずがないのはご存じの通りです。既成の概念を覆すような新機軸が打ち出されていなければ、私がビジネス新書を執筆する意義はありません。
つまり本書は、画期的という点では、凡百の新書をはるかに凌駕しているという自負があります。
最後になりましたが、この新書では、「本能寺の変」についての私なりの解釈も述べています。それももちろん、ある程度、画期的なものです。その理論の小説版も、近々、発表の機会が持てると思いますので、そちらもお楽しみに。
とにもかくにも、私の人生経験の集大成として本書を発表できたことは、たいへんな喜びです。文芸ファンの方々にも、食わず嫌いにならずに、ぜひご一読いただきたいと願っております。

書籍データ

・価格:838円+税
・新書:205ページ
・出版社:講談社
・ISBN-13:978-4-06-272616-0
・発売日:2009/10/21

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